$$ \def\bra#1{\mathinner{\left\langle{#1}\right|}} \def\ket#1{\mathinner{\left|{#1}\right\rangle}} \def\braket#1#2{\mathinner{\left\langle{#1}\middle|#2\right\rangle}} $$

◇◇tech004:変換操作による状態の一致可能性と不変量◇◇


☆概要

状態A,Bおよびいくつかの操作が与えられ、それらの操作を行うことによって状態Aを状態Bに変化させられるか?というタイプの問題では、操作によって不変な量を考えることによって解ける場合がある。

☆本文

ARC071Eは、'A'および'B'からなる2つの文字列S,Tが与えられ、4種類の操作

を好きな順番で好きなだけ行うことでSをTに一致させられるかを問う問題であった。この問題の解法は、'A' 1つにつき1点、'B' 1つにつき2点としてSとTのスコアを計算し、その$mod\;3$が一致していれば遷移可能というものである。ここで重要なのはスコアの$mod\;3$が操作によって不変になるような定義を採用したことであり、2状態の遷移可能性を調べる問題はこのような不変量をなんとかして見つけることで解ける場合がある。

当然のことながら、操作によって不変な量を1つ見つけたからといって「その量が状態A,Bで一致していれば必ず遷移可能」であることを示したことにはならない。必ず遷移可能であることを示す方法の一例として、同じくARC071Eでは「操作によって不変な量が存在すること」に加えて「すべての操作が可逆であること」および「不変量がとりうるすべてのパターンに対して1つずつ終状態が存在し、いかなる状態からでも対応する終状態に遷移可能であること」を利用した。具体的には、4つの操作をうまく使うことでそれぞれの逆操作

を作ることができ(ここで'X'は'A'または'B')、かつスコアの$mod\;3$が1なら"A"、2なら"AA"、0なら"AAA"という終状態に必ず遷移可能であり、状態A,Bが同じ終状態に遷移可能ならば「状態A→終状態→状態B」と遷移させることができる。

ほかのパターンの問題に遭遇したら追記

☆問題

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